ゲーミングPCの寿命は2年半から3年と言われています。
予め寿命の長いゲーミングPCを選ぶことや、パーツ交換、メンテナンスなどゲーミングPCを長く使う方法があります。
ここでは、ゲーミングPCの寿命と寿命を延ばす方法について紹介していきます。
ゲーミングPCの寿命はどれくらいか
ゲーミングPCの寿命は2年半~3年です。
3年もしたらゲーミングPCは動かなくなるのかというと、そうではありません。
この場合の寿命は「性能による寿命」を意味します。
性能による寿命とは、最新のゲームやアプリケーションにスペックが追いつかなくなる事を指します。
性能と寿命と関係性について詳しく見ていきましょう。
ゲーミングPCの寿命は性能で差がある
ゲーミングPCの寿命は、購入時の性能で差が生じます。
PCの基礎スペック | 性能寿命の目安 |
ロースペック | 2~3年 |
ミドルスペック | 3~4年 |
ハイエンド | 5~6年 |
ミドルスペックのゲーミングPCは、最新ゲームが高画質設定でプレイできます。
しかしPCの進化はとても早く、ゲームもそれに合わせ進化するため、2~3年後にリリースされるゲームでは高画質設定でプレイできない可能性があります。
ハイエンドゲーミングPCは、最新ゲームが超高設定で余裕を持って動かせるため、2~3年後のゲームであっても高設定で十分快適にプレイできる可能性が高いです。
ゲーミングPCのパーツ寿命の目安
パーツ | 寿命の目安 |
CPU | 6~7年 |
グラフィックボード | 5~6年 |
メモリ | 5~6年 |
SSD | 4~5年 |
HDD | 2~3年 |
マザーボード | 4~5年 |
電源ユニット | 3~4年 |
ゲーミングPCのパーツごとの寿命目安は以上の通りです。
上の表は性能寿命ではなく物理寿命ですから、「パーツが故障して動かなくなる寿命」です。
パーツの物理的な寿命はパーツによってそれぞれ異なりますが、症状はどのパーツでもPCが動作しなくなります。
実際は故障したパーツを交換すれば動作はしますが、他のパーツも寿命が遠くないことや、動作しない=壊れた=買い替えと考える方も多いです。
5年前後でパーツの故障が起きはじめるので、PCが正常動作しなくなったら、まずパーツの故障を疑いましょう。
ゲーミングPCの寿命を延ばす方法
ゲーミングPCの寿命を延ばす方法は、「パーツ交換」と「メンテナンス」の2つ方法があります。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
パーツ交換でゲーミングPCの寿命を延ばす
パーツ交換によってゲーミングPCの寿命を延ばすことができます。
デスクトップ型のBTOパソコンの場合に可能な方法であり、ゲーミングノートPCやモニター一体型パソコンでは専用パーツが使われていることが少なくないため、パーツ交換によって寿命を伸ばせない場合があります。
どのようなタイミングでパーツを交換すればよいか、症状別に詳しく解説します。
ゲームが重い、クラッシュする
ゲームの動作が不安定な場合、グラフィックボードの性能不足、または故障が原因と考えられます。
性能不足の場合はゲームで設定を軽くして、それでも足りないようならばグラフィックボードを新しいモデルに交換しましょう。
グラフィックボードは「PCI Express x16」という端子で接続されており、この企画は10年近く前から変更されていません。
そのため少し古いPCでも、最新のグラフィックボードに問題なく交換することができます。
最新のグラフィックボードが認識しない場合は、BIOSのアップデート等で認識させる必要があるでしょう。
アプリケーションが落ちる、ブルースクリーンで強制終了してしまう
この場合、原因はマザーボードやメモリの不調が考えられます。
メモリの交換はとても簡単ですが、マザーボードの交換は全てのパーツを取り外す必要があるため、難易度が高くなります。
また、マザーボードとメモリは世代によって端子の形状が異なります。
そのため形状が古いと入手が困難であったり、誤ったものを選んでしまうリスクがあります。
マザーボードとメモリは静電気による故障の例もあるため、乾燥しやすい冬場などでは静電気対策を行って適切な作業をしましょう。
急に電源が落ちる、電源が入らない
ブルースクリーンにもならずにPCの電源が落ちたり、電源が入らない場合は電源ユニットが原因の可能性が高いです。
電源ユニットは故障頻度が高いパーツなので、3年以上PCを使用し続けている場合は、不調が無くても交換するのも良いでしょう。
長年酷使し続けた電源ユニットは、電気を供給している他のパーツを故障させてしまうこともあります。
電源ユニットの故障は、稀に火災や感電の原因にもなる可能性があるため、故障に注意しておきましょう。
メンテナンスでゲーミングPCの寿命は延びる
ゲーミングPCのパーツは、定期的なメンテナンスによって寿命を延ばすことができます。
PCパーツの最も多い故障の原因は熱です。
ゲーミングPCを定期的にメンテナンスすることで排熱効率が良くなり、故障リスクを下げることができます。
具体的なメンテナンス方法とメンテナンス頻度について解説します。
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ファン、フィルターの掃除(半年に一度)
PCのメンテナンスで一番大切なのはファン、フィルターのホコリの掃除です。
PCの故障原因で最も多いのがホコリの蓄積による故障で、ホコリが蓄積することで排熱がうまくできなくなり、パーツが故障します。
具体的な掃除方法
1. ファンフィルター、ケースファン、CPUクーラーのファンを取り外す。
2. 掃除機でファン、フィルターの大きなホコリを吸い込む。
3. フィルターを水洗いし、歯ブラシ等で優しくこすりしっかり乾かす。
4. ファンに残っているホコリを綿棒やエアダスターで取り除く
5. 元通りにケース内に組みなおす。
ホコリの除去は半年に一度程度で問題ありませんが、PCの設置環境によってホコリを大量に吸い込む場合は、設置場所を変更するか、掃除の頻度を増やしましょう。
CPUグリスの塗りなおし(2年)
CPUは発熱が多いパーツなので、大型のヒートシンク、ファンによって冷却されています。
効率よく熱を逃がすため、CPUには液体金属などの熱伝導率のよい液体・ペーストを塗りそれを通してヒートシンクからCPUを冷却します。
CPUグリスは長期の使用によって乾燥してしまうため、塗り直しが必要です。
塗り直しの頻度は、CPUクーラーを交換しない場合は購入後2年ほどで塗りなおすのがベストです。
CPUクーラーを交換した際は必ず新しいグリスを塗り忘れないように注意してください。
ゲーミングノートは寿命が短い
ゲーミングノートはゲーミングデスクトップPCに比べて寿命が短いです。
性能による寿命はデスクトップと大差ありませんが、パーツの故障頻度はノートPCの方が圧倒的に高いです。
ゲーミングノートが故障しやすい3つの理由を紹介します。
排熱性能が低い
ゲーミングノートPCに限らず、ノートPCは内部スペースにゆとりがありません。
パーツ間の距離が短くファンも小さいため、デスクトップPCに比べて内部がとても高温になります。
そのためゲーミングノートPCは、熱によるパーツの劣化が非常に速いです。
ゲーミングノートPCを使用する場合は、放熱シートやファン搭載スタンドを使い、少しでも熱を逃がしましょう。
持ち運びによる劣化
ゲーミングノートを持ち運ぶ場合、持ち運び時の衝撃によってパーツの故障の原因になることがあります。
持ち運ぶ際は専用のケースに入れ衝撃を抑えて使用しましょう。
バッテリーの劣化
ノートPCは、電源プラグを抜き差しする頻度が高くなります。
電源プラグの抜き差しにより、ノートPCは充電と放電を繰り返すため、寿命が短くなりやすいです。
またこれにより、バッテリーも劣化しやすくなります。
電源プラグを差し込んで使用できる場合には、必ずプラグを差し込んで使用しましょう。
ゲーミングノートは以上の様な理由から故障しやすく寿命は短いです。
ゲーミングノートはデスクトップと違い、基本的にパーツの交換はできないため故障したときは本体ごと全て買い替えになってしまいます。
過去3台ゲーミングノートを購入された方のお話では、どれも3年以内に完全に故障してしまったそうです。
ゲーミングPCの寿命による買い替えタイミング
PCの基礎スペック | 買い替えるタイミング |
ロースペック | 3年 |
ミドルスペック | 4年 |
ハイエンド | 5年 |
ゲーミングPCの買い替えのタイミングは、4~5年がおすすめです。
適切なタイミングはパソコンの基礎スペックによって代わります。
ロースペックは2~3年、ミドルスペックPCの場合は3~4年、ハイエンドPCの場合は5~6年で性能不足を実感し始めます。
性能不足を感じなければそのまま使用しても良いですが、4年目以降は急な故障に備え定期的なデータバックアップをおすすめします。
ゲーミングPCの寿命まとめ
ゲーミングPCの寿命について詳しく解説しました。
デスクトップBTOゲーミングPCなら、パーツ交換で寿命を伸ばすことができます。
ゲーミングノートはパーツ交換ができず、排熱性能が低いため寿命は3年ほどとなります。
ゲーミングPCを長く快適に使用するには、定期的なメンテナンスを行うようにしましょう。