ゲームにおすすめのCPUと選び方について解説していきます。
「Intel CoreとAMD Ryzenは何が違い、どちらが良いのか」
「ゲーミングPCにおすすめのCPUはどれか」
「ゲーミングノートPCにおすすめのCPUはどれか」
以上の内容について解説していくので、これからBTOゲーミングPCの購入や自作する方の参考となれば幸いです。
おすすめCPUは価格と性能のバランスによるコストパフォーマンスを重視して選出しています。
PCゲームにおけるCPUの役割
PCゲームにおいてCPUがグラフィックボード以上に重要な役割を果たします。
CPUは演算処理を行うパーツで、PCゲームにおいてはグラフィック以外すべての処理をCPUで行っています。
またグラフィックボードの制御もCPUで行うため、高性能グラフィックボードを搭載する場合はそれを正常に動作させることができる性能を持ったCPUが不可欠です。
例えばFPSゲームでは弾の当たり判定、オブジェクトの動作判定、キャラクター位置の処理をCPUが行います。
CPU性能が低い場合では、キャラクターが壁を貫通して移動の後戻される、敵キャラクターが瞬間移動しているように表示されるなどの不都合が生じます。
グラフィックの描写距離もCPUによって左右されるため、CPU性能が高ければより遠くの風景や遠くのキャラクターを表示することもできます。
CPUの世代と種類による違い
メーカー | シリーズ | 型番例 |
---|---|---|
Intel | Core i5 | Core i5-9400F Core i5-10400 Core i5-10400F |
Core i7 | Core i7-9700K Core i7-10700 Core i7-10700K | |
Core i9 | Core i9-10900 Core i9-10900K | |
AMD | Ryzen 5 | Ryzen 5 3500 Ryzen 5 3600 |
Ryzen 7 | Ryzen 7 3700X | |
Ryzen 9 | Ryzen 7 3900X Ryzen 7 5900X Ryzen 7 5950X |
Intel Coreシリーズの違い(i5・i7・i9)
IntelのCoreシリーズはPCゲームへのパフォーマンスが高く、多くのパーツやデバイスはIntel Coreを想定して設計・最適化されています。
1つのチップでマルチコアCPUを構成しているので、Ryzenに比べてレイテンシが早く遅延が発生しにくいです。
Intel Coreシリーズは「Core i9 > Core i7 > Core i5」の順に性能が高く、高性能であるほどPCゲームの快適性が増し、MODのような高負荷でも対応できます。
Intel Coreシリーズでは、ハイフン以降で世代を読み取ることができます。
例えば「Core i5-9400F」は第9世代、「Core i5-10400F」なら第10世代を表し、それ以降はモデル型番です。
Intel Coreは世代が進むにつれ性能が上がり、低価格化も進むので基本的には最新世代を選ぶのが良いです。
現在はIntel Core i5の第10世代でもかなり性能が高いため、ミドルスペックまでのグラフィックボードに問題なく対応できます。
AMD Ryzenシリーズの違い(5・7・9)
RyzenのAMDシリーズは複数のチップを複合してマルチコアを形成されています。
マルチコアCPUであるため、レイテンシが遅く遅延が生じやすいのが難点です。
Intel Coreシリーズに比べ価格が安く、コスパが良いためエントリークラスやミドルスペック以下でよく選ばれるCPUとなっています。
Ryzen AMDシリーズは「Ryzen 9 > Ryzen 7 > Ryzen 5」の順に性能が高いです。
Ryzen AMDはマルチコアCPUであるため、複雑で高負荷なMOD使用により適したCPUと言えます。
例えばCities:SkylineなどシミュレーションゲームのAIに関するMODではAMD Ryzenシリーズの方が適しています。
世代の読み方はIntel Coreシリーズ同様に「Ryzen 5 4600H」なら第4世代、「Ryzen 5 3600」なら第3世代となります。
Intel CoreとAMD Ryzenの違い
Intel CoreシリーズとAMD Ryzenシリーズの最も大きな違いはCPU構造です。
Intel Coreシリーズは1枚のチップでマルチコアCPUを構成しているのに対し、AMD Ryzenシリーズは複数のチップでマルチコアCPUを構成しています。
CPUのチップは表面積が大きいほど製造コストが高くなるため、1枚のチップで構成されたIntel Coreシリーズの方が価格が高いわけです。
しかし複数チップで構成されたCPUはチップを跨いだ処理が必要になるため、1枚のチップで構成されたCPUより遅延が発生しやすくなっています。
Intel Core i7とAMD Ryzen 7の比較
Intel Core i7はゲーミング性能がとても高いCPUで、性能と価格のバランスがとれた最も選ばれているCPUです。
AMD Ryzen 7はクリエイティブなタスクにより適したCPUであり、ゲーミング性能ではIntel Core i7の方が優れます。
ゲーミング用途ならCore i7が無難ですが、クリエイティブな使い方もするのであればAMD Ryzen 7を選択しても良いでしょう。
Intel Core i9とAMD Ryzen 9の比較
Intel Core i9は最高峰のCPUで、RTX 3090のような超高性能なグラフィックボードとも組み合わせることができ、その性能をフルに発揮させられます。
AMD Ryzen 9は汎用性により優れたハイエンドCPUであり、ゲームプレイをしながら録画や配信などの作業により適したCPUです。
Intel Core i9とAMD Ryzen 9ではAMD Ryzen 9の方が価格が安く、理論値性能ではAMD Ryzen 9の方が高性能であるため、こちらの方がコスパが良いと言えます。
ただし実際にゲームをプレイしてみると、Intel Core 9の方が優れたパフォーマンスを発揮することも少なくなく、これはパーツやソフトウェアがIntel Coreに最適化している現状が理由であると考えられます。
ゲーミングPCにおけるCPUの選び方
ゲーミングPCにおいては、搭載するグラフィックボードに合ったCPUを選択することが重要です。
最もコスパの良いCPUは「Intel Core i5-10400F」であり、ゲーム性能が高くグラフィックボードの性能を最大限発揮してくれます。
RTX 3070までのグラフィックボードなら「Intel Core i5-10400F」で問題ないでしょう。
RTX 3080以上のグラフィックボードでも理論数値上は「Intel Core i5-10400F」でもボトルネックとなることはないのですが、負荷状況やゲームタイトルによってやや懸念があります。
RTX 3080以上を搭載する場合は「Intel Core i7-10700K」「Intel Core i9-10900K」「AMD Ryzen 9 5950X」などを選択するのがおすすめです。
CPUは価格の高さと性能の高さが比例しているため、価格で選んでも問題はありません。
ゲームにおすすめなCPU
Core i5-10400F
コスパが最高で対応できるGPUも豊富なので最もおすすめのGPUです。
カジュアルゲーマー向けのCPUとなっており、10万~15万円ほどの安いゲーミングPCに採用されています。
手に入れやすい価格なのでPCゲーム入門におすすめです。
GTX 1650 SuperなどのローエンドからミドルスペックのGPUと相性が良く、安く性能の高いPCを組み立てることができます。
ゲームを快適に行えるスペックも持っています
Core i7-10700K
性能と価格のバランスがちょうどいいCPUで、コアゲーマー向けのモデルです。RTX 2080 Tiなどの高性能なGPUを活かすことのできるスペックを持っており、ゲームに対するパフォーマンスが高いです。
ゲーム録画や配信といった用途にも使用することができるので、ゲーマーはもちろん配信者や動画投稿者にもおすすめできるモデルです。
Ryzen 5 3600
非常に高いコスパを持ったCPUで、自作やカジュアルゲーマーにおすすめのCPUです。
PCに詳しい方であればオーバークロックをして使用することもできるのでPC上級者向けといえますね。
RTX 2060やRTX 2070クラスのGPUに最適で、Coreシリーズにはゲーム性能が劣るものの、快適なゲームプレイを実現することが可能です。
Core i9-10900K
高い性能を持っているため、ヘビーユーザー向けのCPUになります。価格が高いので手が出しにくいモデルですが、性能は価格以上のものを秘めています。
RTX 3080以上の高性能GPUと相性が良く、ゲームプレイで使用した際は他では得られない快適性を獲得できます。
ゲーム録画や配信といった用途に使用することも可能なので、クリエイターの方にもおすすめできるモデルです。
ゲーミングノートにおすすめなCPU
Ryzen 5 4600H
ゲーミングノートPCに採用するCPUの中では最もコスパに優れているモデルになります。
通常高くなりやすいノートPCの価格を下げつつ、ゲームに必要なスペックを十分に満たすことのできるCPUです。
GTX 1650 SuperやRTX 2060といったGPUとの相性が良く、ゲーム以外の普段使いでも高いパフォーマンスを発揮します。
Core i7-10750H
ゲーミングデスクトップPCに採用されるi7よりも性能は劣るものの、安定性が高く採用率の高いCPUです。
RTX 2070 SuperなどのミドルスペックからハイスペックなGPUに対応することができ、ゲーム録画や配信といった用途にも使用することができます。
ゲーミングノートで全てのゲームを快適にプレイしたい場合はこのモデルがおすすめです。
Core i5 第10世代
Coreシリーズのi5は手の出しやすい価格で安定した動作を期待できるため、ゲーミングノートにも採用しやすいモデルです。
購入の際は最新世代に当たる第10世代が採用されていることを確認しましょう。
GTX 1650 SuperなどのローエンドからミドルスペックのGPUと相性が良く、高いゲーミング性能を持っています。
ゲームにおすすめなCPUまとめ
ゲームにおすすめのCPUと選び方について解説しました。
PCゲームのみをプレイするなら「Interl Coreシリーズ」がおすすめで、ゲーム+αの用途なら「AMD Ryzenシリーズ」がおすすめです。
CPU選びでどうしても迷うようなら、ミドルスペック以下は「Core i5-10400F」を、ハイエンドでは「Core i7-10700/K」を選んでおけばまず問題はありません。