
PCパーツの寿命について解説します。
ゲーミングPCを構成する主要パーツ、CPU・グラボ・メモリ・SSD/HDD・電源の寿命年数や、交換するタイミングについてです。
完全に故障してしまうとPCが動作しなくなるため、「寿命が近いことを表す症状」についても紹介します。
PCパーツの寿命年数を比較
| PCパーツ | 寿命目安 |
|---|---|
| CPU | 7~10年 |
| グラフィックボード(GPU) | 3~5年 |
| メモリ | 8~10年 |
| SSD | 5年 |
| HDD | 5年 |
| 電源ユニット | 7年 |
PCパーツの寿命年数の目安です。
目安年数で交換が必要というわけではなく、これぐらいの年数で異音や挙動異常が出たら、交換を検討しましょう。
SSDやHDDにたいせつなデータを保存している場合は、寿命年数を目安にバックアップをしておきましょう。
CPUの寿命と交換のタイミング
CPUは寿命の長いPCパーツです。
CPUは非常に耐久性が高く、寿命よりも性能の限界で交換を検討するケースがほとんどです。
CPUは半導体の塊であり、メカ的な摩耗部分がないため、適切な冷却と電源環境が整っていれば、10年以上動作し続けることも珍しくありません。
ただし、オーバークロックや長時間の高温稼働は、CPU内部のトランジスタの劣化を早める原因になります。
温度が80℃を超える状態が続くと、長期的な寿命に影響が出るため、冷却環境の見直しが大切です。
CPUの寿命が近いことを表す症状
「重たいアプリを開くと動作がもたつく」「ゲームでカクつきが増えた」と感じるようになったら、CPUの性能が現代のアプリに追いついていない可能性があります。
CPUの性能は壊れる前に“陳腐化”することが多いので、体感的なストレスが増えた時点が交換のサインと考えましょう。
CPUの寿命|CPUグリスの塗り直し・CPUクーラーの寿命 →
グラボ(GPU)の寿命と交換のタイミング
GPUの寿命は3〜5年が目安です。
とはいえ、これは性能的な寿命の目安であるため、遊びたいゲームの推奨スペックを満たせなくなったときに、交換を検討すれば良いでしょう。
グラフィック描写においては酷使するパーツでもありますから、GPUは物理的な故障も起きます。
長時間稼働が多い人は、ファンやサーマルパッドの状態を定期的に確認することで、寿命を延ばすことができます。
グラボ(GPU)の寿命が近いことを表す症状
GPUの寿命が近いことを表すサインとして最もわかりやすいのが「画面表示の異常」です。
ノイズ、縦線、フリーズ、突然のブラックアウトなどが頻発するようになった場合、GPUメモリや基板が劣化している可能性があります。
ドライバー更新でも改善しない場合は、交換を検討すべきタイミングです。
グラボの寿命|GPUの寿命診断・オーバークロックやメンテナンス →
メモリの寿命と交換のタイミング
メモリの寿命は8〜10年が目安です。
メモリはCPUやGPUほど熱を持たず、物理的な摩耗も少ないため、比較的長寿命なパーツといえます。
一般的なDDR4・DDR5メモリの寿命はおよそ8〜10年が目安とされています。
構造的には故障しにくいパーツですが、静電気や電圧の乱れ、熱によるダメージが蓄積すると、データの読み書きにエラーが出るようになります。
特に、オーバークロックや高温環境での長時間稼働は、内部のICチップを徐々に劣化させる要因です。
メモリの寿命が近いことを表す症状
これらが一時的でなく繰り返す場合、メモリの交換を検討しましょう。
メモリは2枚または4枚で構成されていますが、交換時はすべて交換する必要があります。
メモリはアップグレード目的での交換・追加もよくある
壊れていなくても、「メモリ容量が足りない」と感じる場面が増えてきたら、メモリを交換・追加しましょう。
マザーボードに差し込むだけなので、工具も必要なく簡単に交換・追加できます。
メモリの追加や交換は、メーカーや容量を合わせないとエラーが出る場合がありますから、注意しましょう。
SSD/HDDの寿命と交換のタイミング
SSD/HDDの寿命は5年が目安です。
SSDやHDDといったストレージは、PCの中でも“消耗品”と言えるパーツです。
SSDはメモリセルの書き換え回数が限られており、「TBW(総書き換え量)」を超えると書き込み不能になるリスクがあります。
HDDは物理的に回転するディスクを使用しているため、モーターや磁気ヘッドの摩耗が原因で寿命が訪れます。
ゲームのインストール、ソフトウェアなどはSSDがおすすめですが、写真・動画など頻繁に使用しないデータの長期保存は、HDDの方が適しています。
クラウドサービスなどを利用するでも良いと思います。
SSD/HDDの寿命が近いことを表す症状
HDDの場合、「カチッ」という異音や、データの読み出しが極端に遅くなる現象が見られたら注意です。
SSDでは、起動が遅い・突然フリーズするなどの症状が現れます。
CrystalDiskInfoなどのツールで「健康状態」をチェックすれば、早めに異常を発見できます。
SSD・HDDの寿命|ストレージの寿命診断と長く使う方法 →
PC電源の寿命と交換のタイミング
PC電源の寿命は7年が目安です。
PC電源ユニットは、劣化による不調が起こりやすいパーツです。
PC電源のコンデンサの経年劣化が進むと、ノイズや電力供給不足を引き起こし、突然のシャットダウンを誘発することもあります。
PC電源ユニットは、他のパーツよりも「信頼性の高いメーカー・80PLUS GOLD以上の認証」といった点が重要です。
高品質な80PLUS認証電源を選ぶことで、安定性と寿命の両立が期待できます。
PC電源の寿命が近いことを表す症状
電源ファンから「ブーン」という異音がしたり、電源を入れても一瞬で落ちる場合は要注意です。
電源が原因のトラブルは他パーツの故障と見分けにくいですが、異音やシャットダウンなどの症状があれば、PC電源ユニットを交換してみると、トラブルが解決するかもしれません。
PCパーツの寿命まとめ
PCパーツは寿命の目安がそれぞれ異なるので、ここで紹介した症状から、「おそらくこのパーツだろう」と当たりをつけて交換していくしか、対処法がありません。
パーツの不調な症状が出始めたら、寿命目安の年数と照らし合わせて、近いようであれば交換していくのが良いでしょう。
特に電源ユニットは、故障によって他のパーツにもダメージを与える可能性があるので、注意しましょう。