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グラボの寿命|GPUの寿命診断・オーバークロックやメンテナンス

グラボの寿命

グラボ(GPU)の寿命について解説します。

グラボはゲーミングPCでゲームをするとき、最も負荷のかかるパーツであり、平均寿命は3~5年と言われています。

画面がチラつくようになった、ブラックアウトするようになった等の物理的な寿命はともかく、性能的に物足りなくなったときが交換のタイミングとなります。

ここではグラボの寿命と診断方法、グラボの寿命に関連する情報、メンテナンスについて紹介していきます。

PCパーツの寿命ガイド – パーツの寿命目安と交換タイミング →

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グラボの寿命について

グラボのスペック性能的寿命の目安
エントリー2~4年
ミドル3~5年
ハイエンド5~7年
※それぞれのスペックに適した設定でゲームプレイする場合

グラボの性能的寿命は、ゲーミングPCの寿命とほぼ一致します。

あくまで目安であるため、遊びたいゲームの推奨スペックを満たせなくなったときに、交換を検討すれば良いでしょう。

グラボの物理的な寿命はスペックに関わらず、10年前後です。

ただしグラボの使用頻度によって異なるので、一概には言えず、グラボの寿命が近いことを知らせる症状で判断するしかありません。

水冷式グラボの寿命

水冷式グラボの寿命は、ポンプ・チューブなどの消耗品に影響されることもあり、5年が目安です。

水冷式グラボは冷却効率が高く、静音性にも優れていますが、経年で冷却液が蒸発することがあります。

定期的に液漏れや気泡の有無を確認し、メンテナンスを行いましょう。

グラボの寿命を診断する症状

グラボの寿命を診断するには、症状に注目しましょう。

寿命が近いことを表すサインとして最もわかりやすいのが「画面表示の異常」です。

  • 画面にビリビリとノイズが走るようになった
  • 画面に縦線が入るようになった
  • ゲーム中にフリーズが頻発するようになった
  • ゲーム中にブラックアウトが頻発するようになった

このような症状が「頻発するようになった」場合、GPUメモリや基板が劣化している可能性があり、寿命が近いことを表すサインと判断できます。

ドライバー更新でも改善しない場合は、交換を検討すべきタイミングです。

これらの症状が1度だけ起きた場合は、「そんなこともある」程度で気にしなくて良いです。

グラフィックボード(GPU)の故障原因と症状【診断方法】 →

グラボのコイル鳴き・異音

グラボから「キーン」という高周波音や「ジリジリ」としたノイズが発生するのは、電源部品(コイル)の共振によるものです。

コイル鳴きは必ずしも故障とは限りませんが、長期間続く場合は電源供給が不安定だったり、内部にホコリが溜まっている可能性があります。

ファンの異音も、ベアリング劣化による摩耗のサインです。

エアダスターによってホコリを除去して、異音が消えるか試してみてください。

グラボのオーバークロックと寿命

グラボはオーバークロックすると、寿命が縮まります。

オーバークロックはGPUの動作周波数を上げ、処理能力を引き出す手法です。

電圧や発熱も比例して増加するため、冷却が追いつかないと寿命を短縮させるリスクがあります。

常に高温状態で稼働させると、半導体内部の絶縁体が劣化しやすくなります。

高品質な電源ユニットを使用し、ケース内のエアフローを確保することで、オーバークロックによりグラボの寿命が縮まるリスクを減らすことができます。

グラフィックボードをオーバークロックする方法 →

グラボの低電圧化で寿命を延ばす

グラボの低電圧化(アンダーボルト)を行うことで発熱を抑え、寿命を延ばす方法もあります。

MSI Afterburnerなどのツールで、クロック性能を落とさずに電圧を下げる設定が可能です。

温度が数度下がるだけでも、パーツ全体の負担は大きく軽減されます。

グラボの適正温度【確認方法・温度を下げる方法】 →

マイニングに使用したグラボのリスク

グラボでマイニング

マイニングに使用したグラボは、故障リスクがとても高いので、中古品の購入は避けましょう。

仮想通貨マイニングでは、24時間GPUコアとメモリが常にフル稼働状態となるため、通常よりも劣化が進んでいる可能性が高いです。

マイニング時の冷却環境によっては、寿命が半減することもあります。

マイニングに使用したグラボは、スペックが高くても価格が安いものがありますが、購入はおすすめしません。

とはいえ、マイニングに使用したグラボかどうか不明な場合もあるため、中古グラボを購入した場合は、GPU-Zなどのツールで稼働時間や温度履歴を確認しましょう。

ショップによっては「マイニング使用品」を明記している場合もあります。

もしもマイニング使用品のグラボを購入してしまった場合は、使用前にグリスとサーマルパッドを交換し、ファンやヒートシンクの清掃をしてから、使うようにしましょう。

グラボの寿命を延ばすメンテナンス

グラボの寿命は、メンテナンスによって延びます。

  • 年に一度は清掃を行う
  • グリス・サーマルパッドを2~3年で交換
  • 温度モニタリングで以上値にならないようチェック

これらを欠かさず行うことで、グラボは10年だって使えます。

とはいえ、グリス・サーマルパッドの交換は少しハードルが高いですから、最低でもエアダスターによる清掃だけは、必ずしておきましょう。

ゲーミングPCのメンテナンスガイド →

グラボのグリス・サーマルパッドの交換で寿命を延ばす

グラボのグリス・サーマルパッドを2~3年に一度交換することで、冷却性能が回復し、寿命が延びます。

グリス・サーマルパッドは時間とともに、硬化・劣化して冷却効率が落ちるためです。

劣化したまま放置すると、GPU温度が上がりすぎてサーマルスロットリング(自動性能低下)を起こすこともあります。

グリス・サーマルパッドを交換するには、グラボを少し分解する必要があります。

グラボの分解には精密ドライバーが必要です。

  • グラボを精密ドライバーで分解する
  • グリスクリーナーで古いグリスを除去する
  • 基盤汚れが酷いときは、電子パーツクリーナーを綿棒に塗布して綺麗にする
  • 新しいグリス・サーマルパッドを取り付ける
  • グラボを元通りに組み戻す
  • GPU温度チェックをして完了

グラボの寿命まとめ

グラボの寿命は、使い方と環境によって大きく変化します。

定期的な掃除、グリスやサーマルパッドの交換、温度モニタリングを習慣化することで、より長期的に使えます。

最低でもエアダスターによる清掃だけは、年に一度必ずしておきましょう。

夏場はエアフローを見直すだけでも効果があります。無理に性能を引き出すよりも、安定運用を心がけることで結果的に長持ちします。

PCパーツの寿命ガイド – パーツの寿命目安と交換タイミング →