
ゲーミングPCの買い替えについてのガイドです。
買い替えはいつするのか、何年でするのかなど、買い替えに際して必要な情報を詳しく解説します。
買い替えを検討するということは、今のゲーミングPCの性能が物足りなくなったり、使えなくなったりしたということでしょう。
ここでは修理や自作の可能性についても紹介します。
ゲーミングPCの買い替えは何年を目安とするか
ゲーミングPCを買い替えるタイミングは、「今のゲーミングPCに性能不足を感じたとき」「故障して使用ができないとき」の2つです。
「いつ」とか「何年ぐらいで」というのはありません。
性能寿命を感じて買い替える
一般的にゲーミングPCの性能寿命は、およそ3〜5年が目安と言われますが、自分自身が性能不足を感じていなければ、別に買い替える必要はありません。
10年前のゲーミングPCでも、ゲームの設定を落とせばプレイは可能かもしれません。
どれぐらいの性能のゲーミングPCを所有しているかにもよりますが。
高スペックを要求し、4Kや8Kの超高画質を売りにしているゲームもありますが、そんなゲームでも設定を落とせば、十分ミドルスペック程度でプレイ可能です。
MMOやFPS、格闘ゲームなどのeスポーツタイトルは、常時オンライン接続をするので、ゲーム自体軽く作られているものばかりなので、性能寿命を感じることは少ないんじゃないでしょうか。
故障(物理的寿命)による買い替え
ゲーミングPCが物理的に故障してしまったら、買い替えるしかありません。
それでも故障したパーツが特定でき、それ以外のパーツに問題がなければ、パーツのみ購入して交換すれば安上がりです。
とは言っても、10年前のゲーミングPCでパーツが故障した場合などは、まるごと買い替えた方が良いですけどね。
| パーツ | 寿命の目安 |
|---|---|
| CPU | 6~7年 |
| GPU | 5~6年 |
| SSD / HDD | 5〜10年 / 3〜5年 |
| メモリ | 10年 |
| 電源ユニット | 5〜7年 |
| マザーボード | 5〜8年 |
ゲーミングPCのパーツごとの寿命目安です。
あくまで寿命の「目安」なので、故障してから買い替えを判断することになります。
買い替えるタイミングの個人差
ゲーミングPCを買い替えるタイミングは、求めるゲーム体験により個人差があります。
例えば、PCゲームがそれなりのグラフィックでプレイさえできれば良い人は、物理的に故障しなければ10年だって使えます。
Windowsの大型アップデートや、DirectXのバージョン変更によって古いGPUが非対応になってしまうと厳しいですが。
一方「常に4Kや8Kの解像度で、レイトレーシングを使ってプレイしたい」とか、「たくさんのMODを使って遊びたい」という方は、高性能なグラフィックボード(GPU)を追い求める必要がありますから、2~3年に1度はグラフィックボードを買い替える必要があると思います。
とはいえ、ここでもグラフィックボードのみの交換で大丈夫です。
デスクトップ・ゲーミングノートの買い替えの違い
デスクトップは性能不足を感じたら、または物理的に故障したらパーツを交換すればOKです。
ゲーミングノートPCはそもそもデスクトップよりも性能が低く、パーツはそれぞれ専用設計のものが多いので、まるごと買い替えるしかありません。
経験上ゲーミングノートPCは5年はもちませんね、だいたい3~4年で不調な箇所が出てきます。
スペックや使い方にも左右されますが。
ゲーミングPCの買い替えと修理・パーツ交換の判断
ゲーミングPCの購入から5年以内なら修理・パーツ交換、6年目以降なら買い替えを目安にします。
ですが、同時に複数の高額パーツが故障してしまったら、まるごと買い替えをするべきでしょうし、ハイエンドなゲーミングPCを購入していれば、6年目でも修理・パーツ交換で済むかもしれません。
いずれにしても、ゲーミングPCが使用できない期間についても考慮しなければいけません。
修理・パーツ交換を選ぶべきケース
ゲーミングPCの購入から5年以内で、故障したパーツが明確に把握できている場合は、修理・パーツ交換がおすすめです。
交換するべきパーツがわかっていれば、修理にかかる費用もわかりますから、修理するべきかどうか判断もできます。
修理と費用の関係性は、自分の気持ちで決めて良いと思います。
「これだけ使ったものに、こんなに払うなら、買い替えよう」といった感じです。
自身で判断ができない方や、修理作業に自身のない方は、購入したメーカーの修理へ依頼すれば良いです。
自分で修理するよりも費用はかかりますが、必要なパーツを交換してくれ、確実に修理ができあがります。
修理する場合は、当然修理完了までゲーミングPCは使えませんね。
メーカー修理ですと、2週間ほどかかると思います。
修理・パーツ交換ではなく買い替えを選ぶべきケース
ゲーミングPCの購入から5年以上を経過し、かつミドルスペック以下の場合は、まるごと買い替えた方が良いです。
パーツ交換での修理も可能ですが、5年も経過すれば他のパーツも消耗していますし、性能も大きく遅れをとっているからです。
そこで既存のパソコンにお金をかけるよりは、買い替えてしまった方がコスパが良いです。
また5年以上使用できますから。
5年も経過すると、他パーツの進化も大きく感じられるので、静音性や消費電力の低下など、今より格段に快適になります。
パーツ交換は性能アップにも有効
グラフィックボード(GPU)・メモリ・SSDは、ドライバー1本あれば交換できるので、初心者でも簡単に交換作業ができます。
この3つのパーツ、特にGPUはゲーミングPCの性能に最も影響するパーツなので、高性能なGPUに交換すると、ゲーミングPCの性能が飛躍的に上がります。
もちろん消費電力については、しっかりと調べてから購入する必要があります。
メモリを交換・増設すると、PCの処理スピードがアップして、サクサク動作するようになりますし、SSDを上位パーツにすれば、ゲームの読み込み時間が早くなります。
古いマザーボードや電源ユニットが新しいパーツと互換性を持たない場合もあります。
互換性を無視して取り付けると、起動しない・ショートするなどのリスクも。
マザーボードの世代や電源容量を必ず確認し、必要に応じて複数パーツをまとめてアップグレードする計画性が大切です。

「GPUだけ交換したら電源容量が足りなくなった」「新しいメモリがマザーボードに対応していなかった」という失敗を聞きます。購入前にしっかり調べてましょう。
ゲーミングPCの買い替え|BTOと自作の比較
ゲーミングPCを買い替える際、BTOメーカーで完成品を購入するか、自作するかの選択肢があります。
パソコンの知識がしっかりあれば自作でも良いですが、強いこだわりが無ければBTOメーカーの完成品で良いと思います。
昔は自作すれば半額ぐらいで価格を抑えられましたが、現在は価格差もそんなにありません。
BTOゲーミングPCのメリット・デメリット
BTO(Build To Order)ゲーミングPCは、BTOメーカーが動作確認を済ませた構成で提供する完成品です。
簡単に言えばパソコン専門店で、ゲーミングPC以外にもクリエイター向け、一般向けパソコンも販売しています。
■ BTOゲーミングPCのメリット
最大のメリットは「安定性とサポートの手厚さ」です。
組み立て済みのため初期不良やパーツ相性問題の心配がほとんどなく、購入後すぐに使い始めることができます。
国内大手のBTOメーカーは、購入後のトラブルサポートとして、24時間対応の電話・チャットサポートがありますから、パソコンの知識が無い初心者の方でも安心です。
■ BTOゲーミングPCのデメリット
BTOメーカーのサポート担当にも当たり・ハズレがあります。
これはパソコンに限らず何でもそうですが、「不親切だ」と感じたら一旦切って、かけ直して他のスタッフに対応してもらうべきです。
使用パーツはメーカーによって記載・不記載の差があり、コスパ重視の大手メーカーは不記載、細部まで拘れる中規模メーカーは記載があるが割高といった感じです。
パーツのカスタマイズは大手BTOメーカーの方が制限があり、中規模メーカーの方が自由度が高いです。
自作ゲーミングPCのメリット・デメリット
自作ゲーミングPCは、なんといっても「自由度の高さ」が魅力です。
ケースデザインやパーツメーカーまで自由自在な構成で、自分だけのゲーミングPCが作れます。
しかし、ゲーミングPCの自作は、よほどパソコンが好きで組んでみたい方以外にはおすすめしません。
■ 自作ゲーミングPCのメリット
自作ゲーミングPCでは、特にケースが自由に選択できるのが大きいです。
BTOメーカーのゲーミングPCは、ケースにメーカーロゴがあったり、数種類の中からのみ選択できる程度ですが、自作なら無数にあるケースの中から自由に選べます。
以前ほど価格差は無くなりましたが、それでも自作の方が価格を抑えられますし、セールでお買い得なパーツをゲットできれば、その分価格も安くなります。
中古パーツを利用するのも手です。
パソコンの構造に詳しくなれますが、これはデメリットと表裏一体で、パソコンが好きでなければ苦痛でしかありません。
■ 自作ゲーミングPCのデメリット
マザーボードのソケット規格やメモリの動作周波数、電源容量など、すべてを正しく選ばないと動作しない場合があります。
「パーツ間の相性問題」の問題もあるので、パーツ選びの時点でパーツ相性の問題・規格をしっかりと調査しなければいけません。
組み立てでミスをすれば当然動作しませんし、大きなミスをすればパーツが故障してしまうリスクもあります。
パーツ単位での保証はありますが、動作全体に対するサポートは存在しませんので、不具合が出た際はどのパーツが原因かを自分で特定し、個別に対応しなければなりません。
ゲーミングPCの買い替えで抑えたいポイント
ゲーミングPCの買い替えで、おさえておきたいポイントを解説します。
せっかくの買い替えなのでスペックアップをするのか、以前と似たような使い方ができれば良いのか、セールを待つべきかなど、決めておきたいことがいくつかあります。
ここではBTOゲーミングPCを購入することを前提として進めていきます。
どれぐらいのスペックに買い替えるか
まず最初に、「どんなゲーミングPCに買い替えたら良いかわからない」という人は、ミドルスペックに買い替えておけば間違いないと思います。
コスパが一番良いですし、どんなゲームも遊べますし、寿命も長いですから。
| スペック | GPU |
|---|---|
| エントリー | GeForce:xx50系(例:RTX 3050) Radeon:x600系(例:RX 7600) |
| ミドル | GeForce:xx60系 / xx70系 Radeon:x700系 / x800系 |
| ハイエンド | GeForce:xx80系 / xx90系 Radeon:x900系 |
スペックはグラフィックボード(GPU)で決めることができます。
簡単に表にすると、こんな感じです。
xxの部分は世代によって変わるので、ほぼ毎年変わっていき、数字が大きいほど新しくなります。
予算を抑えて買い替えるには
ゲーミングPCのコストは、スペックと価格が比例しており、パーツの価格も決まっているので、「この構成のパソコンを安く買いたい」というのは無理です。
予算10万円で4K解像度のゲームプレイを!というのも、当然無理。
良いスペックのゲーミングPCを割安で購入するなら、セールやモデルチェンジ時に旧モデルを狙うのが良いです。
ゲーミングPCのパーツ、特にグラフィックボード(GPU)は毎年次々に最新モデルが発売されており、BTOメーカーのラインナップも毎月のように変わります。
セールでは最新モデルが対象になることはありませんが、旧モデルはなかなかの割引が適用されることがありますから、これを狙いましょう。
ちなみに、BTOメーカーのお得度が高いセールは、新春セール(1月)・新生活応援セール(3月)・夏のボーナスセール(6月)・歳末セール(12月)の4つです。
ゲーミングPC買い替え時のデータ移行
ゲーミングPC買い替え時のデータは以降は、クラウドを活用していれば必要ありません。
クラウドを利用せずに保存している写真・動画・ファイルなどは、外付けUSBなどを利用して保存するか、この際にクラウドに保管しておくと良いでしょう。
インストールしたソフトウェアのデータ移行
Windowsのクラウドサービス「One Drive」を利用すれば、インストールしているアプリまで移行はできますが、One Driveは不便な点も多いので、おすすめしないです。
これを機に断捨離を兼ねて、必要なアプリのみダウンロード・インストールしていく方が良いと思います。
パスワード管理アプリを利用している場合は、使用アプリにもよりますが、引き継ぎコードの書き出しなどはお忘れなく。
インストールしているアプリを忘れてしまう心配があれば、スクリーンショット(スマホで画面を撮影しても良い)を保存しておけば大丈夫でしょう。
SteamなどPCゲームのデータ移行
Steamのデータは、Steamのクラウド保存が可能です。
Steamのライブラリから、ゲームタイトルを右クリックし、「Steamクラウドに◯◯のセーブデータを保存」をONにしておくだけで、所有するゲームのセーブデータをクラウドで保存してくれます。
あとは新しいパソコンでSteamにログインして、ゲームをインストールするだけで、セーブデータは引き継がれます。
Epic Gamesなら、Epic Games Launcherの右上のプロフィールアイコンから「設定」を開き、「クラウドセーブを有効にする」にチェックを入れるだけです。
パソコンが故障したらこの設定ができないので、大事なゲームのデータは常時オンがおすすめです。
ゲーミングPCの買い替えまとめ
ゲーミングPCの買い替えは、性能が物足りなくなったときか、故障したとき。
パーツだけ交換する選択肢もアリですが、そのパソコンの使用年数にもよる。
修理と買い替えの判断は、そのパソコンの修理にお金をかけて「もったいない」と感じないかどうか。
買い替えは、迷ったらミドルスペックでOKです。